妊活とは?何から始める?基本と今日からできること

「妊活を始めたいけれど、何からすればいいかわからない」
「排卵日を調べたり、サプリメントを飲んだりすればいいの?」
妊活について調べ始めると、食事、基礎体温、排卵日、検査、サプリメントなど、さまざまな情報が出てきます。何をどこまで行えばよいのか迷ってしまう方も少なくありません。
妊活とは、妊娠を希望する人やカップルが、妊娠に向けて身体や生活、今後の計画を見直していく取り組みの総称です。「妊活」は正式な医学用語ではなく、その内容は人によって異なります。
まずは、生理周期を記録する、パートナーと話し合う、妊娠前に必要な健康管理を確認するなど、できることから始めれば十分です。
この記事では、妊活の基本と今日からできること、医療機関へ相談する目安、妊活中の心のケアについて、臨床心理士・公認心理師の立場からわかりやすく解説します。
妊活とは何をすること?
妊活には、主に次のような取り組みが含まれます。
- 生理周期や排卵の目安を知る
- 妊娠しやすい時期に性交の機会を持つ
- 葉酸の摂取や禁煙など、妊娠前の健康管理を行う
- 持病、服薬、ワクチン接種歴を確認する
- パートナーと妊娠・出産について話し合う
- 必要に応じて婦人科や不妊治療専門施設へ相談する
- 妊活に伴う不安やストレスをケアする
妊活は、女性だけが身体を管理することではありません。
妊娠には卵子だけでなく精子の状態も関係します。通院や情報収集、家事、仕事の調整などをどちらか一方に任せず、カップルで取り組むことが大切です。
妊活と不妊治療の違いを詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
妊活は何から始める?6つの基本
1.生理周期を記録する
まずは、生理が始まった日をカレンダーやアプリに記録してみましょう。
数か月分を記録すると、生理周期がどの程度一定しているか、生理が極端に短い・長い月がないかなどを確認しやすくなります。
ただし、アプリに表示される排卵日は、過去の生理周期から計算した予測です。排卵日を正確に確定するものではありません。
排卵の時期は周期ごとに変わることがあるため、アプリの予測どおりにならない場合もあります。記録はあくまで、自分の傾向を知るための目安として使いましょう。
基礎体温も排卵の有無を推測する参考になりますが、毎朝同じ条件で測る必要があるため、負担になる人もいます。基礎体温を測らなければ妊活ができないわけではありません。
2.妊娠しやすい時期を知る
一般的に、妊娠する可能性がある期間は、排卵日を含むその前後です。とくに排卵の数日前から排卵日にかけて、妊娠の可能性が高くなります。
排卵時期を把握する方法には、次のようなものがあります。
- 生理周期の記録
- 排卵検査薬
- おりものの変化
- 基礎体温
- 医療機関での超音波検査やホルモン検査
排卵を意識する場合、排卵が予想される時期に1~2日おきに性交の機会を持つ方法があります。ただし、タイミングを厳密に管理することで、性交が義務のように感じられることもあります。
排卵日を一日に絞ろうとしすぎず、カップルにとって続けやすい方法を選ぶことが大切です。排卵予測アプリには限界があることや、妊娠しやすい時期の考え方については、米国生殖医学会も注意点を示しています。ASRM「Optimizing natural fertility」
3.妊娠前から葉酸を摂取する
妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性には、通常の食事に加えて、サプリメントなどから1日400µgの葉酸を摂取することが勧められています。
葉酸は「妊娠しやすくするサプリ」ではありません。妊娠初期の胎児の神経管閉鎖障害のリスクを減らすことを目的として、妊娠前からの摂取が推奨されています。
過剰摂取を避けるため、複数のサプリメントを併用する場合は含有量を確認してください。持病がある方や薬を服用している方は、医師や薬剤師に相談しましょう。厚生労働省「葉酸とサプリメント」
鉄やビタミンDなどについては、すべての人が一律にサプリメントで補う必要があるとは限りません。血液検査や食生活、医師の指示に応じて判断することが大切です。
4.妊娠前の健康状態を確認する
妊娠前から健康状態を確認し、将来の妊娠・出産に備えることを「プレコンセプションケア」といいます。
確認しておきたい項目には、次のようなものがあります。
- 禁煙し、受動喫煙を避ける
- 飲酒を控える
- 極端なやせや肥満を避ける
- バランスのよい食事を心がける
- 無理のない範囲で身体を動かす
- 持病や服用中の薬について医師に相談する
- 風疹などの抗体やワクチン接種歴を確認する
- 子宮頸がん検診など、必要な健診を受ける
- 歯科検診や口腔ケアを行う
- 性感染症の心配がある場合は検査を受ける
服用中の薬がある場合、自己判断で中止してはいけません。妊娠を希望していることを主治医や薬剤師に伝え、継続や変更について相談してください。
国立成育医療研究センターでは、女性用・男性用のプレコンセプションケアチェックシートが公開されています。国立成育医療研究センター「プレコン・チェックシート」
5.パートナーと話し合う
妊活を始める前に、パートナーと次のようなことを話し合ってみましょう。
- いつ頃から妊娠を希望するか
- 排卵時期をどのように共有するか
- 妊娠しなかった場合、いつ受診を考えるか
- 検査を二人で受ける意思があるか
- 通院、家事、仕事の調整をどう分担するか
- 妊活について誰まで話すか
- どの程度の費用や期間を想定するか
最初からすべての意見が一致するとは限りません。
「子どもがほしいか」という大きな話だけでなく、「妊活の情報をどのくらい共有したいか」「落ち込んだときにどう接してほしいか」など、具体的な話を少しずつ重ねることが大切です。
6.医療機関へ相談する目安を知る
不妊症は一般的に、避妊をせず一定期間性交を続けても妊娠しない状態を指します。
受診を考える一般的な目安は、次のとおりです。
| 年齢・状況 | 相談の目安 |
|---|---|
| 35歳未満 | 妊娠を希望して1年程度たっても妊娠しない |
| 35歳以上 | 6か月程度たっても妊娠しない |
| 40歳を超えている | 妊活開始時から早めに相談する |
| 月経不順や無月経がある | 年齢や期間にかかわらず早めに相談する |
| 子宮内膜症、卵管・子宮の病気、手術歴などがある | 早めに相談する |
| 精子や性機能について心配がある | カップルで早めに相談する |
受診は、不妊治療を始める決断と同じではありません。まず検査や相談だけ受け、現在の状態や今後の選択肢を知ることもできます。
受診時期について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
妊活の検査では何がわかる?
医療機関では、年齢、月経周期、既往歴、妊活期間などを確認したうえで、必要な検査が検討されます。
| 主な検査 | 確認する内容 |
|---|---|
| 超音波検査 | 子宮や卵巣、卵胞の状態 |
| ホルモン検査 | 排卵や月経周期に関係するホルモン |
| 卵管通過性検査 | 卵管が通っているか |
| 精液検査 | 精子の濃度、運動率、形態など |
| 感染症検査 | 妊娠や治療に影響する感染症 |
| AMH検査 | 卵巣内に残る卵胞数の目安 |
AMHは「卵子の質」や「自然妊娠できる確率」を示す検査ではありません。主に、排卵誘発を行った場合に卵巣がどの程度反応するかを予測する材料として用いられます。
AMHが低くても自然妊娠する可能性はあり、高ければ妊娠が保証されるわけでもありません。年齢やほかの検査結果と合わせて解釈する必要があります。ASRM「Testing and interpreting measures of ovarian reserve」
また、妊娠には女性側と男性側の両方の要因が関係するため、必要な場合は二人の検査を並行して進めることが大切です。
妊活で頑張りすぎなくてよいこと
毎日基礎体温を測らなければいけない?
必須ではありません。
基礎体温は排卵の傾向を知る参考になりますが、測定そのものが負担になる場合もあります。記録がストレスになるときは、生理周期の記録や排卵検査薬など、ほかの方法を検討してもよいでしょう。
身体を温めれば妊娠しやすくなる?
「温活」によって妊娠率が上がると断言できる根拠はありません。
温かい食事や入浴で心地よく過ごすことには意味がありますが、冷たいものを口にした、身体が冷えたという理由で自分を責める必要はありません。
ストレスがあると妊娠できない?
ストレスがあるから妊娠できない、と単純に結びつけることはできません。
妊活中に不安や焦りを感じるのは自然な反応です。「ストレスをなくさなければ」と考えることが、さらに負担になる場合もあります。
ストレスケアは妊娠率を上げるための義務ではなく、自分の生活や心を守るために行うものと考えましょう。
妊活中は生活を完璧に整えるべき?
すべてを完璧にする必要はありません。
妊娠は、努力した量だけ結果が返ってくるものではありません。生活習慣を整えても、妊娠までに時間がかかることはあります。
一度に全部変えるのではなく、「葉酸を始める」「生理日を記録する」など、無理なく続けられることから始めましょう。
妊活中の心のケア
妊活を始めると、毎月の生理や妊娠検査の結果に気持ちが左右されることがあります。
周囲の妊娠報告がつらくなったり、パートナーとの温度差を感じたり、「もっと早く始めればよかった」と自分を責めたりすることもあるでしょう。
このような感情は、妊娠を強く望んでいるからこそ生じる自然な反応です。
つらいときは、次のような方法を試してみてください。
- 妊活について考えない時間をつくる
- SNSや検索から一時的に離れる
- パートナーに「聞いてほしいこと」を具体的に伝える
- 生理が来た日や判定日は予定を詰め込みすぎない
- 信頼できる人に気持ちを話す
- 心理士などの専門家に相談する
妊活を休むことや、情報収集を中断することも、自分を守るための選択です。
妊活についてよくある質問
妊活はいつから始めればいいですか?
妊娠を希望する時期を考え始めたときから、健康状態やワクチン接種歴、服薬、葉酸の摂取などを確認できます。
実際に妊娠を試みる時期は、年齢、仕事、健康状態、パートナーとの話し合いなどを踏まえて決めましょう。
排卵日に性交すれば妊娠できますか?
排卵日に性交しても、必ず妊娠するわけではありません。また、排卵日を一日単位で正確に予測することは難しいため、排卵の数日前から機会を持つ方法が一般的です。
妊活を始めたら、すぐに検査を受けるべきですか?
全員がすぐに不妊症の検査を受ける必要はありません。
ただし、35歳以上、月経不順、子宮内膜症や手術歴がある、男性側に心配があるなどの場合は、妊活期間を待たずに相談してよいでしょう。
妊活の悩みを心理士に相談してもいいですか?
相談できます。
心理士は、不妊症の診断や医学的な治療方針の決定は行いませんが、妊活への不安、パートナーとの温度差、仕事との両立、受診や治療開始への迷いなどを整理するお手伝いができます。
まとめ|妊活は「自分の状態を知ること」から始めよう
妊活とは、妊娠を希望する人やカップルが、身体、生活、今後の計画を見直していく取り組みです。
まずは、次の中から一つ始めれば十分です。
- 生理が始まった日を記録する
- パートナーと妊娠について話し合う
- 1日400µgの葉酸摂取を検討する
- 服薬やワクチン接種歴を確認する
- 医療機関へ相談する目安を知る
妊活に取り組んでも、すぐに結果が出るとは限りません。うまくいかないときに、自分の生活や努力が足りないと責める必要はありません。
身体のことは医療機関に相談しながら、心の負担も一人で抱え込まないことが大切です。
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