【初心者向け】カウンセリングとは?効果・種類・流れを臨床心理士がやさしく解説

はじめに

「カウンセリングに興味はあるけど、どんなことをするのか不安」「効果があるのか分からない」——そんな風に感じたことはありませんか?

この記事では、臨床心理士がカウンセリングの基礎知識をわかりやすく解説します。科学的な根拠も交えながら、あなたの不安をやわらげ、安心して第一歩を踏み出せるようサポートします。

【1】カウンセリングとは?

カウンセリングとは、臨床心理士や公認心理師など、心の専門家との対話を通して、悩みの整理や感情の理解、自己成長を支援する心理的援助のプロセスです。

専門家は助言を押し付けるのではなく、共感的に話を聴き、相談者が安心して本音を話せる「安全な場」を提供します。

研究では、信頼できる他者に悩みを語ることでストレスホルモンのコルチゾールが低下することが示されています(Lepore, 1997)。このように、「話すだけで心が軽くなる」という感覚は、科学的にも裏付けられているのです。

【2】カウンセリングの効果とは?

カウンセリングには多くの心理的・社会的な効果があり、以下のような変化が期待できます。

1. 自己理解の促進

カウンセリングでは、自分の思考・感情・行動のパターンを言語化し、客観的に見つめ直すことができます。

例:怒りっぽいと感じていた背景に、実は「失敗を極端に恐れる完璧主義的な信念」があると気づいたケースなど。

こうした気づきは、新たな行動や考え方の選択肢を広げ、問題の根本的な解決に役立ちます。

2. 感情の調整と表現の向上

怒り・悲しみ・不安といった感情を抑えるのではなく、安全な空間で受け止めてもらうことで、感情の整理が進みます。さらに、自分の感情を適切な言葉で表現できる力(感情表出力)が育ち、対人関係にも良い影響をもたらします。

感情表現に関する研究では、感情を言語化することがストレス軽減や免疫機能の向上に有効であるとされています(Pennebaker, 1995)。

3. ストレスの軽減と心身の健康の回復

慢性的なストレスは、うつ、不眠、消化器症状、免疫機能低下など、さまざまな心身の不調を引き起こします。カウンセリングでは、ストレスの要因を明確化し、対処スキルを高めることで、心身両面の健康を回復させる効果が期待できます。

メタ分析によれば、心理療法はストレス性障害の予防と回復に有意な効果があると報告されています(van der Klink et al., 2001)。

4. 問題解決能力の向上

カウンセリングでは、具体的な悩みにどう向き合うか、どんな選択肢があるかを一緒に整理し、自分で納得できる答えを見つけるプロセスをサポートします。

例:「転職すべきか迷っている」→ 利点・不安・将来の展望を丁寧に整理し、自分に合った判断ができるようになる。

これは「解決志向アプローチ」とも呼ばれ、日常の問題対処能力の向上にもつながります。

5. 人間関係の改善

人間関係のトラブルや孤立感は、心の不調の主な原因となることが多いです。カウンセリングでは、対人関係のパターンや距離感、コミュニケーションの特徴に気づくことができます。

また、カウンセラーとの信頼関係を通して、「他人とつながることの安心感」を再体験し、現実の人間関係にも前向きな変化が生まれやすくなります(愛着理論に基づく介入など)。

6. 自己肯定感・自信の回復

「話しても受け入れてもらえた」「どんな自分でも否定されなかった」という体験は、自己肯定感を深める重要なステップです。

繰り返し共感的に関わってもらうことで、「自分は大丈夫」「自分には価値がある」と感じられるようになり、将来に対する希望や行動力も回復していきます。

【3】カウンセリングの種類

対面カウンセリング

カウンセリングルームで専門家と直接会って行う形式です。表情や声のトーンなど、非言語的な情報も活かしながら、より深い対話が可能です。

オンラインカウンセリング

Zoomなどのビデオ通話を用いた形式で、忙しい方や遠方に住んでいる方にも適しています。研究でも、オンラインでも対面と同程度の効果があるとされています(Barak et al., 2008)。

電話・メールカウンセリング

顔を見られたくない、自分のペースで話したい方に向いています。ただし、非言語的なやり取りが制限されるため、内容の伝え方に工夫が必要です。

個人カウンセリング vs グループカウンセリング

• 個人:一対一で丁寧に内面と向き合える。

• グループ:他者の話から学んだり、共感を得られる場。

*大阪堺臨床心理カウンセリングオフィスでは、「対面カウンセリング」と「オンラインカウンセリング」を実施しております。

【4】カウンセリングの流れ

1. 予約・問い合わせ:Webフォームやメールなどで申し込み。

2. 初回面接(インテーク):相談内容や背景を丁寧に聴き取る。

3. 目標設定と方針の共有:カウンセリングの方針を明確にし、頻度や期間も相談。

4. 継続的なセッション:週1回〜隔週などで、対話を重ねる。

5. 振り返りと終了:目標の達成状況を確認し、終了または再設定。

【5】カウンセリングを受けるべきタイミングとは?

以下のようなサインがある場合、カウンセリングの利用が検討されます:

• ひとりで抱えきれない悩みがある

• 気分の落ち込みや不安が続いている

• 睡眠・食欲・集中力に変化がある

• 孤独感や虚無感を感じている

• 誰にも相談できず、モヤモヤが消えない

特に、「明確な理由が分からないけどつらい」と感じるときこそ、心のSOSに気づくサインです。

【6】カウンセリングを受けるときのよくある不安Q&A

Q. うまく話せるか不安です…

A. 話すことが整理されていなくても問題ありません。カウンセラーがゆっくりと言葉を引き出すサポートをします。

Q. 泣いてしまったら恥ずかしい…

A. 涙は感情の自然な表現です。安心して涙を流せることも、カウンセリングの大切な役割のひとつです。

Q. 本当に効果があるの?

A. 多くの臨床研究で、カウンセリングの効果は科学的に確認されています。ただし、劇的な変化をすぐに期待するのではなく、少しずつ変化を積み重ねることが重要です。

【7】まとめ|カウンセリングは心のセルフケア

カウンセリングは「心の病気の人だけが受けるもの」ではなく、「誰でも利用できる心のセルフケア手段」です。

話すことで新たな視点に気づいたり、内面の力を再発見することもあります。もし「ちょっと受けてみたい」と思ったら、それが第一歩です。あなたの気持ちに寄り添うサポートが、ここにあります。

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参考文献(References)

Barak, A., Hen, L., Boniel-Nissim, M., & Shapira, N. (2008). A comprehensive review and a meta-analysis of the effectiveness of internet-based psychotherapeutic interventions. Journal of Technology in Human Services, 26(2–4), 109–160. https://doi.org/10.1080/15228830802094429

Lepore, S. J. (1997). Expressive writing moderates the relation between intrusive thoughts and depressive symptoms. Journal of Personality and Social Psychology, 73(5), 1030–1037. https://doi.org/10.1037/0022-3514.73.5.1030

Pennebaker, J. W. (1995). Emotion, disclosure, and health: An overview. In J. W. Pennebaker (Ed.), Emotion, disclosure, and health (pp. 3–10). Washington, DC: American Psychological Association. https://doi.org/10.1037/10182-001

van der Klink, J. J. L., Blonk, R. W. B., Schene, A. H., & van Dijk, F. J. H. (2001). The benefits of interventions for work-related stress. American Journal of Public Health, 91(2), 270–276. https://doi.org/10.2105/AJPH.91.2.270

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