やっと授かったのに育児がつらい…そう感じる理由は?心理師が解説

「やっと授かった赤ちゃんなのに、育児がつらい」

そんな気持ちを抱えて、自分を責めていませんか?

不妊治療や長い妊活を乗り越えて出産したからこそ、

  • 「もっと幸せを感じると思っていた」
  • 「こんなにつらいなんて思わなかった」
  • 「欲しくて授かった子なのに苦しいなんて言えない」

と、戸惑ってしまう方は少なくありません。

夜泣きや睡眠不足、終わりの見えない育児、孤独感。
毎日を必死に過ごしているのに、「幸せでいなきゃ」という思いが、自分自身をさらに苦しめてしまうこともあります。

でも実は、不妊治療や長い妊活を経験した人ほど、育児の中で強い苦しさや孤独を抱えやすいことがあります。

この記事では、「やっと授かったのに育児がつらい」と感じる理由について、心理師の視点から解説します。


やっと授かったのに育児がつらいのはおかしいこと?

結論から言うと、「やっと授かったのに育児がつらい」と感じることは、決しておかしなことではありません。

むしろ、不妊治療や長い妊活を経験した人だからこそ、苦しくなりやすい背景があります。

「幸せでいなきゃ」というプレッシャーが強くなる

不妊治療を経験した方は、周囲から

  • 「本当によかったね」
  • 「やっと授かれて幸せだね」
  • 「念願だったもんね」

と言われることが多くあります。

もちろん、悪気のない言葉です。
でもその言葉が、「幸せでいなければいけない」というプレッシャーになることがあります。

本当はつらい。
でも、

  • 苦しいと言ってはいけない気がする
  • 感謝しなきゃいけない
  • もっと頑張らなきゃ

と、自分の気持ちを押し込めてしまうのです。

その結果、誰にも本音を言えず、孤独感が深まってしまうことがあります。


不妊治療中の「頑張り続けるモード」が抜けない

不妊治療中は、心も体も常に緊張状態になりやすいものです。

  • 通院スケジュールの調整
  • 排卵日へのプレッシャー
  • 採卵や移植
  • 判定日までの不安
  • 仕事との両立
  • 周囲への気遣い

など、「頑張り続ける状態」が長く続きます。

そして、出産後も休む間もなく育児が始まります。

本来なら、心や体を回復させる時間が必要です。
でも、頑張ることが当たり前になっていると、自分の限界に気づきにくくなります。

出産後に突然涙が止まらなくなったり、気力がなくなったりするのは、これまで張りつめていたものが一気にあふれ出している状態なのかもしれません。


理想と現実のギャップに苦しくなる

妊活中や不妊治療中は、

「赤ちゃんが来てくれたら幸せになれる」

という思いを支えに頑張ってきた方も多いと思います。

もちろん、我が子は大切で愛おしい存在です。
でも現実の育児は、きれいごとだけではありません。

  • 睡眠不足
  • 頻回授乳
  • 終わらない家事
  • 自由のない生活
  • 慢性的な疲労
  • 社会から切り離されたような孤独感

など、想像以上に過酷なこともあります。

「幸せなはずなのに苦しい」

このギャップが大きいほど、自分を責めやすくなってしまうのです。


不妊治療を経験した人ほど育児で苦しくなりやすい理由

「やっと授かった子だからちゃんと育てなきゃ」と頑張りすぎる

不妊治療を経験した方は、「ようやく出会えた大切な命」という思いが強いからこそ、育児でも頑張りすぎてしまうことがあります。

  • 完璧に育てなきゃ
  • 良い母親でいなきゃ
  • ちゃんと愛情を注がなきゃ

そんな思いが強くなるほど、自分を追い込みやすくなります。

少し休むことや、人に頼ることに罪悪感を抱く方も少なくありません。

でも、育児は一人で完璧にやりきるものではありません。

頑張り続けるほど、心も体も消耗してしまいます。


周囲に気持ちを理解されにくい

不妊治療を経験していない人には、

  • 「授かれただけ幸せじゃない?」
  • 「欲しかったんだから頑張れるでしょ」

と言われてしまうこともあります。

その言葉に傷ついても、「自分が贅沢なのかもしれない」と感じ、さらに苦しくなることがあります。

でも、

「子どもを望んでいたこと」と
「育児がつらいこと」は、別の問題です。

どちらも同時に存在していい感情です。


妊活中のつらさが消化されないまま育児に入ることもある

不妊治療や妊活の中では、多くのストレスや悲しみを抱えることがあります。

  • 流産
  • 採卵や移植の負担
  • 判定待ちの不安
  • 周囲の妊娠報告
  • お金の問題
  • パートナーとのすれ違い

本当は傷ついていたのに、「前を向かなきゃ」と気持ちを置き去りにしたまま出産を迎える方もいます。

すると、育児が始まって少し落ち着いたときに、それまで抑えていた感情が一気にあふれ出すことがあります。


「育児がつらい」と感じたときに大切なこと

“つらい”と感じることと、“愛情がない”ことは別

育児がつらいと感じると、

「母親失格かもしれない」
「愛情が足りないのでは」

と思ってしまう方もいます。

でも、つらさを感じることと、愛情がないことはまったく別です。

むしろ、真剣に向き合っている人ほど苦しくなりやすいことがあります。

大切だからこそ頑張りすぎてしまう。
だからこそ疲れ切ってしまうのです。


「ちゃんとしなきゃ」を少し緩める

育児では、「ちゃんとやらなきゃ」と思う場面がたくさんあります。

でも、毎日100点を取り続けることはできません。

  • ご飯を簡単に済ませる日があってもいい
  • 家事ができない日があってもいい
  • 赤ちゃんと一緒に横になるだけの日があってもいい

まずは、お母さん自身が倒れないことが大切です。

「頑張りが足りない」のではなく、すでに十分頑張っているのかもしれません。


一人で抱え込まない

育児の苦しさは、一人で抱え込むほど大きくなります。

  • パートナー
  • 家族
  • 友人
  • 子育て支援センター
  • 産後ケア
  • 心理相談

など、頼れる場所につながることも大切です。

「こんなことで相談していいのかな」と思う必要はありません。

苦しくなる前に、誰かと気持ちを共有することは、とても大事なことです。


こんな状態が続くときは専門家に相談を

もし、

  • 涙が止まらない
  • 気分の落ち込みが続く
  • 眠れない
  • 食欲がない
  • 子どもをかわいいと思えない
  • イライラが止まらない
  • 消えてしまいたいと感じる

などの状態が続いている場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談してください。

産後はホルモンバランスや生活環境が大きく変化する時期です。

「もっと頑張ればなんとかなる」と無理を続けるより、早めに助けを求めることのほうが大切な場合もあります。

相談することは、弱さではありません。


まとめ|やっと授かったからこそ、苦しくなることもある

「やっと授かったのに育児がつらい」

そう感じる背景には、

  • 幸せでいなきゃというプレッシャー
  • 頑張り続けてきた疲れ
  • 理想と現実のギャップ
  • 誰にも言えない孤独感

など、さまざまな理由があります。

苦しさを感じるのは、あなたが弱いからではありません。

むしろ、ここまでたくさん頑張ってきたからこそ、心も体も限界に近づいているのかもしれません。

一人で抱え込まず、「つらい」と感じている自分の気持ちを、まずは否定しないであげてください。

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